第1巻 世界は今、猫のものになる
第2巻 この世界の境界を越える猫
……という、シリーズ2冊が刊行されています。
アンソロジー、つまり異なる作者による作品を集めた文学集です。
表紙はヒグチユウコさんのイラストで飾られています。
猫好き読者は、猫のいるその風景を楽しめます。
猫は分からなくても読書好きなら、素晴らしい作家たちの文章自体からテーマを読み、猫を描くことの面白さを発見できるでしょう。作家それぞれの人となりも感じられます。
第2巻では特に、“こちら”から“あちら”の世界へ行ってしまう猫さんたちのお話が集められています。
このレビューを書いている私のひざの上でも、いま愛猫が丸まって眠りこけておりますが、今回の図書に名を連ねる日本を代表する作家たちのひざも、同様に猫様たちの定位置となっていたのでしょうか。
きっと邪魔なのに憎めない、そういう姿勢そのままの、優しい眼差しで猫たちを眺め描かれたであろう色とりどりの物語やエッセイ、2巻合計82編が収録されています。
和田博文・編
薦めたい学年:中学生以上
物語・第1巻397ページ、第2巻383ページ
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