むかし、ある川のほとりにあまがえるの母子が暮らしていたが、息子は母からどんなことを言われても、わざわざ逆らって反対のことばかりしていたため、母がえるの心配は日に日に膨らんでいく一方だった。
深くこころを痛めた母さんが病気になり、いよいよ息を引きとるという時になって初めて、息子は悲しみ、それまでの生き方を後悔したが、それゆえ、あまのじゃくな行動を見越して「川のそばに埋めておくれ」と遺された母の言葉には素直に従ってしまい、その後は、雨が降るたび母のお墓が流されてしまう不安にさいなまれるようになってしまった。
いまも雨の降る日にかえるたちが空を見上げて鳴くのは、かえるの子孫たちがその過ちを悔やんで哀しんでいるためだとか。
韓国に伝わるお話です。
お母さんが死んでしまう展開には驚きましたが、それほどまでに、あまのじゃくな態度が一番そばにいるお母さんに与える心痛が大きいものだということを、代弁してくれているのでしょう。
巻末には「ハングルの世界をのぞいてみよう」と題して、縮小版のイラストと共に原文が掲載されていますので、あまのじゃく期を迎えるこどもたちだけでなく、ハングル勉強中の方にも良さそうです。
イ=サンベ・文
キム=ドンソン・絵
かみやにじ・訳
(英題:The Backwords Green Frog)
薦めたい学年:読み聞かせ Level 2
(2年生後半~)
読み聞かせにかかった時間:5分半
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