このお話の途中に、男が絵画セットを買う場面があります。 泥棒したのではなく、野菜を育てて売ることで手にした正当なお金で購入したのです。
しかし、その帰り道に戦争が勃発し、先に上げました内容紹介の通り、男の小屋や大切な畑は見るも無残な姿に変えられてしまうため、男が生まれて初めて泣いて、物語は終わるわけです。 つまり、男は絵を描いていません。
読み聞かせが終わりましたら、もう一度お子様と一緒に表紙を確認してください。 そこにあるのは、あの大きな白い花を、広がるお花畑の中で描く男の、満足そうなの笑顔なのです。
ぜひ、ここでも答えの決められていない、オープンエンドの問い立てを行ってみてください。 物語の終わりから表紙の絵に表されている状態までの、空白を繋ぐ続きのお話を、こどもたちに想像してもらいましょう。
授業で取り扱った際には、正統派と呼べそうなものから、まず復讐劇が展開されるような内容まで、さまざまな案が出てきました。 男が元泥棒であるという設定が、想像を色々にかき立てるようです。 読者の皆様も「どうしてそう考えたのか」を確認しながら、こどもたちの論理を味わってみてください。
『どろぼうがないた』
杉山としひこ・文
ふくだじゅんこ・絵
薦めたい学年:読み聞かせ Level 2
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