読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



猫の文学館

第1巻 世界は今、猫のものになる
第2巻 この世界の境界を越える猫
……という、シリーズ2冊が刊行されています。
アンソロジー、つまり異なる作者による作品を集めた文学集です。
表紙はヒグチユウコさんのイラストで飾られています。

猫好き読者は、猫のいるその風景を楽しめます。
猫は分からなくても読書好きなら、素晴らしい作家たちの文章自体からテーマを読み、猫を描くことの面白さを発見できるでしょう。作家それぞれの人となりも感じられます。
第2巻では特に、“こちら”から“あちら”の世界へ行ってしまう猫さんたちのお話が集められています。

このレビューを書いている私のひざの上でも、いま愛猫が丸まって眠りこけておりますが、今回の図書に名を連ねる日本を代表する作家たちのひざも、同様に猫様たちの定位置となっていたのでしょうか。
きっと邪魔なのに憎めない、そういう姿勢そのままの、優しい眼差しで猫たちを眺め描かれたであろう色とりどりの物語やエッセイ、2巻合計82編が収録されています。

和田博文・編

薦めたい学年:中学生以上
物語・第1巻397ページ、第2巻383ページ


      

しあわせの石のスープ

あるとき、旅途中のお坊さまたちは、飢饉や洪水、戦争まで経験するうちに他所の者に対してだけでなく、村人間でも互いに知らん顔を決め込む、人のこころに無関心な人々の住む村に立ち寄ると、彼らに「しあわせ」を教えるためだと言って、鍋に“石”を入れてスープを作りはじめた。
すると、それを見たり伝え聞いたりして興味を持った者が一人また一人とその場に集まり、スープがより美味しくなるようにと様々な具材まで持ち寄ったので、スープの香りが増せば増すほど、コクが出れば出るほど、人々の心にも良い変化があらわれはじめた。
村人総出のにぎやかな時間も終わり迎えた穏やかな朝、村人たちから感謝を伝えられたお坊様たちは、“しあわせ”も実はスープを作るように簡単なことなのだとだけ説いて、村をあとにしたのだった。

ジョン=J=ミュース・作
三木卓・訳
(原題:Stone Soup)

薦めたい学年:読み聞かせ Level 2
読み聞かせにかかる時間:7分程度

マーシャ・ブラウン作『せかいいち おいしいスープ (大型絵本)』と同じ展開をみせる今回のお話。ヨーロッパ民話にルーツをもち、少しだけかたちを変えながら、世界各国・地域で愛されているようです。
『せかいいちおいしいスープ』は「村人をだまして兵隊たちが食事にありついた」と解釈してしまう子もいましたが、今回のお話なら大丈夫。
読み聞かせてもらった子たちが、石のスープは真似ずに、すてきな気持ちの分け合い方を学んでくれたらと願います。


国語開化塾 最新チラシ

現在、配布されている国語開化塾のチラシです。
と両面ございます。ぜひクリックしてご覧ください。

地図は代官山のご案内となっております。ご注意ください。

こちらを見られた方も入塾金無料です。

空きのある時間帯(コマ)はタイミングによって変わります。
皆様からのお問い合わせ、こころよりお待ち申し上げております。

いつもありがとうございます

国語開化塾・藤本

てん

絵を描くことが苦手なワシテが、マーカーを押しつけ、真っ白だった紙へ苦しまぎれに描いた、たった一つの“点”。
しかし、名前を書いて提出したその“点”が額に入れられ飾られたのを見ると、ワシテはそれから考えつくかぎり点を描きまくるようになり、学校の展覧会で大評判を得た。
すると、ある男の子が彼女の才能に憧れ自信なく話しかけてきたので、ワシテは自分が先生にしてもらったように、“なんでもない”絵を描かせ、サインさせたのだった。

ピーター=レイノルズ・作
谷川俊太郎・訳
(原題:The Dot)

薦めたい学年:読み聞かせ Level 2
読み聞かせにかかる時間:5分以内

小ぶりで、とても簡単に読めてしまう絵本ですが、こどもたちが小さすぎれば大切な内容があまり伝わらない、そんなお話です。当塾では、8歳かそれよりも上の生徒に対して読み聞かせるようにしています。
ところで、キライなものを好きになっていくときのパワーはすごいですね。私も経験があります。そして、このお話のように、ほんの小さなことがきっかけになるものです。こんな正しい働きかけがいつでもできる先生を、私も目指しています。
最後に、あらすじには何気なく「考えつくかぎり」と書きましたが、その中に私が教室で教える“考える14の方法”の一部が隠されていました。参考にしてみてください。当塾は引き続き、人間らしく“ひらめく”ことが重視される新時代に、14の考え方で“ひらめき”を自在につくりだす、思考の作法を教えていきます。ご興味あれば、皆様のお子様もぜひ!


わたしのげぼく

ねこの“わたし”は、18年前に自分を選び、家へ連れて帰って日々世話してくれた少年を、当時から“げぼく(下僕)”と呼び、「しかたないやつだ」としながらも、とても可愛がった。
どんくさい“げぼく”と違い、なんだって素早くやってのける“わたし”は年をとるのも早く、賢くもあったので、死んだらどうなるのかも知っていたが、自分は何でも“げぼく”よりよくできる。だから、“げぼく”には心配しないでほしかった。泣かないでほしかった。
「ゆっくりでも、おっとりでも、どんくさくても、わたしはおまえをきらいになったりしない」そんな想いで、ねこの“わたし”は、いつか“げぼく”がゆっくり自分のところへ来てくれるのを待つのだった。

上野そら・文
くまくら珠美・絵

進めたい学年:読み聞かせ Level 4
読み聞かせにかかる時間:10分以内

“死”について、去っていく側の視点で書かれた作品です。
ペットなどとの別れももちろんですが、多くの想い出を与え/与えられて旅立とうとする者すべてとの別れに当てはまる内容でしょう。
読み聞かせ、一人読み、どちらにも向きますが、客観視点を持ち、“死”についても考えられるようになる3年生後半以上のこどもたちに触れてもらいたい図書です。