読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



2017 青少年読書感想文コンクール・課題図書

青少年読書感想文全国コンクール(第63回)
課題図書が発表されました。

青少年読書感想文全国コンクール

実際にこの夏あたる図書は、当該候補の中から選んでも、ちがう作品でも、審査には全く影響しません。自由に選びましょう。当塾の図書ブログもご参照いただけると幸いです。
また、国語開化塾では読書感想文指導も行っております。お気軽にお問い合わせください。


大切なのは、
一読してテーマを読み取ること。
テーマが他者に伝わる、あらすじを用意すること。
テーマに沿う自身の体験を想起し、メモ書き→まとめを行うこと。
以上3点です。


毎年お伝えしていますが、あらすじは必須です。
一人で読み返す読書記録のようなものならまだしも、読書感想文とは、その図書の読書経験を共有しない者も含む、不特定多数の他者が読むことが大前提の文章なのですから、内容を知らない人たちにそれを伝えず、どうやって感想や経験部分を共有するのでしょう。不要なはずがないのです。
「あらすじを書くな」と指示を出してくるような学校や先生方があるようですが、上のように伝えて、考えを改めてもらわなければならないと思う次第です。


どうせ取り組まなければならない感想文。
せっかくですから、“自分”や自己を取り巻く“環境”について考え、成長・脱皮する機会としましょう。
当塾では毎年、その中から学校・地域の代表などに選ばれ、自信まで獲得する生徒たちが出ます。
皆様のお子さまも、ぜひ!

忘れられた物たちは、忘れた人を忘れない。

何でも欲しがるこどもたち。しかし、自分のものになると、今度はそこかしこにほったらかして、忘れがち。
一方で、忘れられた物たちは、自分が使ってもらえていた頃のことを思い出しながら、ひとりぼっちでホコリに埋もれていく。忘れられた物たちは、忘れた人を忘れない。
そんなことが、昨日紹介の『わすれものの森』では、登場する魔法使いのような男たちによって語られていました。

読了したこどもたちは各々、これまでに自分たちが学校その他に忘れてきたことがあるもの、そのまま無くしてしまったものについて、考えてみるとよいでしょう。
それらを書き出してみて[なぜ]忘れるのか、自分は[どのような物を]または[どんな時に]なくすことが多いのか、具体と抽象の思考も駆使して分析してみると、400字くらいの作文のネタはすぐに生まれます、自分の手から。
800字以上に増やしたければ、まずは思いつく限りの[対策]を挙げてメモしますが、このときに大切なのは、物をなくすシチュエーションを逆転させるだけでなく、もしも○○したら……と、より自由度を上げて考えてみることです。その中に、他の人では書けないような素晴らしいアイディアがあれば、少しくらい突飛だって採用していいのです!




岡田淳/浦川良治・共作
薦めたい学年:3年生後半〜5年生初
物語・79ページ

わすれものの森

体育以外で先生にほめられたことがあるのは笛の音だけ……という少年ツトムは、独奏パートの大役まで任されている音楽会での発表を翌日に控え、大事なリコーダーをなくしたことに気がつき困ると、その夜学校へと忍びこみ、忘れものを集めて歩く二人組のあやしい男たちに遭遇する。
彼らから、集めたものを届ける地図にない島“わすれものの森”の存在を聞き出すと、ツトムは人間として初めて上陸してリコーダーの捜索を開始し、深く不思議な森の厳しさと闇、そして、よそ者を許さない島の三長老に行く手を阻まれるが、まるで自分を待っていたかのような笛の呼応と、ツトム自身のつよい想いとによって、笛を取り戻すことに成功する。
わすれものの森に眠る数多くの忘れられたものを思い出したツトムは、身のまわりの全てを大切にして過ごすことを心に誓って、島をあとにしたのだった。

岡田淳/浦川良治・共作

薦めたい学年:3年生後半〜5年生初
物語・79ページ

岡田淳氏の絵本でも、デビューに近いころに書かれたもののようで、復刊を喜ぶレビューなども多く見受けられる作品です。
お母様お父様の中にも、読んだことがある!という方がおられるかもしれません。


そりゃあもういいひだったよ

ほんもののクマに招待されて、彼らのいる山へと出かけていったぬいぐるみのクマ。
気分満点、手紙を受け取ったときから、その道中、そして招かれた晩餐の席と楽しい時間が過ぎ迎えた朝までを思い出し、言葉にせずにいられない「そりゃあもういいひだったよ」。
あるぬいぐるみによる、幸せなある日の追想。

荒井良二・作

薦めたい学年:読み聞かせ Level 0
読み聞かせにかかった時間:5分以内


幸せだったから「そりゃあもういいひだったよ」なのでしょうか。
「そりゃあもういいひだったよ」と思うから、幸せなのでしょうか。

それはともかく、春は、あたたかさを取り戻し、無条件にも幸せや喜びを感じさせてくれることの多い季節ですね。経験している最中ももちろんですが、何度でも思い返して幸せな自己満足にひたるのも大切な時間です。
荒井良二さんの作品からは、いつも“角のないもので包まれる幸せ”を感じます。

作文の課題としては、未就学幼児から小学1年生を対象に「そりゃあもう〜な日だった」という意見と、その根拠たる自身の体験を一段落で書いてもらうことができます。
ここではポジティブな内容にこだわる必要もありませんが、物語のクマくん同様“いいこと”を思い出せると良いですね。


わたしとなかよし

私のすてきな友達は…… わたし!
いつ何をしていても一緒にいてくれる「わたし」を大切にしたくて、私は「わたし」にたくさん本を読んであげたり、ごはんをきちんと食べたりするし、自分磨きも忘れず、自分をほめることだって、励ますことだってできるの!
ね、素敵でしょ✨

ナンシー=カールソン・作
なかがわちひろ・訳
(原題:I Like Me!)

薦めたい学年:読み聞かせ Level 0
読み聞かせにかかった時間:5分以内

今日、私は浦和駅内の蔦屋書店で開かれた「大人のための読み聞かせ」というイベントに出席しました。前回に続き、2回目の参加です。
絵本セラピストの方に春ならではの絵本を計3冊読んでいただいたり、それらについて他の参加者たちと意見交換したりしたのですが、前回同様、私が一番楽しんだのは、参加者それぞれがお薦めの絵本を持ち寄り紹介するコーナーでした。
「春だから……」というテーマに合わせ私が持参した作品は2冊。その一つが、この『わたしとなかよし』だったのですが、それは春を、新しい自分、何か始めようとする自分をもっと好きになっていい、そんな時季(時機)だと考えたからです。

作文授業では新1年生になる生徒たちを対象に、“自分の好きなところ”を教えてもらうことにしています。自信をもって、新しい環境でもたくさんのお友だちに恵まれますように。